ストレスは猛毒!

ストレスとは、心身ともに緊張と過剰な負荷がかかってしまう状態のことで、現代人はストレスが

持続してしまっていることが問題になっています。

ストレスには、心身に良いストレスと悪いストレスがあります。

良いストレスは、適度な運動、ジョギング、狩猟などの一時的なストレス、ファスティング、適度な

日光浴。

悪いストレスは、運動不足、激しい運動、職場や学校などでの精神的なストレス、食べ過ぎ、

あまり外出しない、遅寝、睡眠不足、昼寝のしすぎ。

そして、ストレスは猛毒であると言われる理由は、近年の研究では、栄養不足を促し、

さらには、肥満を始め、メタボリックシンドロームの原因にもなり、ガンや糖尿病、アレルギー等の

相関も報告されています。それは、ストレスは、活性酸素を発生させ、ホルモンバランスを悪化させ、

脂肪がつきやすくなります。これらのストレスの継続は、コルチゾールというストレスに対抗する

ホルモンが継続的に分泌されるようになり、この過剰分泌が病気の原因となるのです。

ストレス時は、多くの栄養素(エネルギー、ビタミン、ミネラル)が必要になります。

ところが、ストレスに苦しむひとは、栄養素が不足している食べ物を選んでしまい、その結果代謝を低下させるというストレスの皮肉を引き起こすという報告があります。

Psychiatr Clin North Am. 2014 Dec;37(4):579-89

ストレスがかかると、甘いものや油っこいのもを欲しがり、砂糖、チョコレート菓子、油、小麦食品

を渇望します。

ストレスで、私たちの体内の下記栄養素を失います。

・たんぱく質

・マグネシウムなどの数種のミネラル

・ビタミンB群

・ビタミンC

・ビタミンA

・不飽和脂肪酸

・ビタミンE等

まず失うのは、たんぱく質です。脂肪はつくけど低たんぱく質。

また、マグネシウムの排泄量が増えます。他にも亜鉛や鉄も報告されています。ビタミンでは、特に大切なビタミンB6やB12が消耗されます。

他にも、ビタミンCや、A、E等も消費されます。

ストレスで体内のたんぱく質が失われる仕組みは、ストレスがかかると、リンパ腺にあるタンパク質からもぎ取っていき、胸腺と言って免疫の訓練の場と言われている(免疫はここで育つ)から、たんぱく質を引き抜いて行き、胸腺は萎縮していく。

このストレスがかかった状態は、血糖上昇、血圧上昇、血中脂肪量増加等があります。これは、ストレスに対抗する身体の本能的反射です。

他には、肝臓、腎臓、胃壁からもタンパク質が引き抜かれますますから、胃の粘膜が弱まり胃潰瘍の

原因となります。

次にミネラルです。ストレスの負荷がかかっている状態では、尿中のマグネシウム排泄増加させる

ので、マグネシウム補給が大切です。なぜストレス時にマグネシウム消耗がおきる仕組みは、

ストレスがかかると、抗ストレスホルモンのコルチゾール、ノルアドレナリン、アドレナリン、

ドーパミンの上昇がみられます。このような状態がおきると細胞は、ストレスの悪影響を軽減

するためにマグネシウムが細胞内から細胞外へ移行し、保護的な役割を果たしますが、

長距離ストレスは、マグネシウム欠乏症で健康に悪影響をもたらします。

J Am coll Nutr. 1994 Oct;13(5):429-46

ストレスがかかった時には、マグネシウム補給を忘れないでください。

また、ストレス時はビタミンCの需要が上がります。それは、ストレスがかかると抗ストレスホルモン

のコルチゾール、ノルアドレナリン、アドレナリン、ドーパミンの上昇がありますが、これらの合成

には、ビタミンCが必要ですから、ストレスがかかった状態では、ビタミンCが必要になります。

では、コルチゾールとはなんでしょうか。

コルチゾールは、低血糖やストレス時に副腎から分泌されるホルモンで、血糖や血圧を高め、ストレスに対抗します。過剰分泌は免疫低下や不妊などをもたらします。

コルチゾールは脳がストレスを感知し、脳にある視床下部が下垂体に指令を出し、下垂体は副腎に

コルチゾールやアドレナリンを分泌するよう指示します。このストレス対応をHPA軸と言います。

視床下部のH、下垂体のP、副腎のAとそれぞれの頭文字をつけた名前になっています。

通常のコルチゾール分泌は、一時的な血糖、血圧の上昇、細胞の障害を守る(抗炎症)、たんぱく質

の分解で、適度なストレスは身体に良いですが、過剰分泌になると、脂肪をつきやすくし、

たんぱく質・免疫の低下、酸化ストレス・活性酸素の増加がストレスホルモンになります。

コルチゾール過剰と病気の関係は・・・

・高血圧の上昇

Clin Exp Phamacol Physiol Suppl. 1998 Nov;25:S51-6

・糖尿病リスク上昇、うつ病リスクの上昇

Ann N Y Acad Sci. 2017 Mar; 1391(1):20-34

・乳がんの発症に関わっている。

Breast Cancer Res . 2011; 13(2):208

・子宮体がんの発症に関わっている。

Br Cancer. 2021 Sep; 125(7):1025-1029

・がんの増殖と転移に関わっている。

Future Oncol. 2010 Dec;6(12):1863-1881

コルチゾールコントロール方法①

過剰なコルチゾール分泌を止める方法

1、ストレスの原因から回避する。

コルチゾール分泌を正常化する方法で最も重要なのは、ストレスとなる原因から逃げること。

環境を変える、嫌なことをしない、多少わがままになる、苦手な人と関わらない等が重要です。

コルチゾール・コントロール方法②

1、ストレスを解放(発散)しよう。

コルチゾールは、ストレス解消を行うと、そのレベルが低下するので習慣的に解放しよう。

(科学的根拠のある解消法)

・マインドフルネス

・アロマ、森林浴

・お腹から笑う

・有酸素運動

・深呼吸

・睡眠時間と質の向上

・ヨガ

・音楽鑑賞、カラオケ

・ペットと触れ合う

・ハグなどによるオキシトシン合成

・困っている人を助けるボランティア活動

・悩みを人に相談する

コルチゾール・コントロール③

1、食事と栄養素でストレスを予防する

ストレスで消耗した栄養増を補給する。

・マグネシウム

・亜鉛

・鉄(月経のある人)

・ビタミンC

・ビタミンD

・プロテインまたは、アミノ酸

・ビタミンBコンプレックス

・パントテン酸

・オメガ3(α-リノレン酸、EPA、DHA)

・CoQ10、α-リポ酸

ストレスを抑えるハーブやサプリメント

・アシュアガンダ

・ロディオラ・ロゼア

・カモミールティー

・トゥルシー

コルチゾールコントロール方法③

ストレスを軽減する食材

・大豆食品(レシチン)

・シジミ(オルニチン)

・鮭(アスタキサンチン)

・緑茶(EGCG)

・トマト(リコピン)

・オクラ

・お酢

・オリーブオイル

・ボーンブロス

・まいたけ

・鶏胸肉(イミダペプチド)

・ブルーベリー(アントシアニン)

・米ぬか、ふすま(フェルラ酸)

・梅干し(クエン酸、梅酢ポリフェノール)

・アスパラガス

・玉ねぎ、ショウガ

・高カカオチョコレート

・スパイス(特にターメリック)

・ココナッツオイル

・アボカド

ストレス時に特に避けるべき食品

・精白小麦食品

・市販のシリアル

・アルコール

・カフェイン

・油っこい食品

・お菓子、スイーツ

・麺類

・カゼイン

・高カロリー食品

・揚げ物

・砂糖、加藤ブドウ糖液糖

・加工肉(ハム、ソーセージ、ベーコン)

・超加工食品

・人工甘味料などの食品添加物

・飽和脂肪酸の摂り過ぎ

・高タンパク食

・高脂肪食

・有害金属に汚染された食品

・ビタミンE過剰

ストレスコントロールまとめ

ストレスには、良い面と悪い面があるが、現代の持続的なストレスは心身に猛毒です。

持続的なストレスは、栄養不足を促し、慢性疾患とも関わりがあります。それは、コルチゾールは、

通常の分泌だと、抗ストレスホルモンで善玉的ですが、過剰分泌は悪玉化する。

ストレス時に、マグネシウム、ビタミンC、ビタミンB群などの栄養補給が必要で、特に控える

食品もあります。ストレスと上手にお付き合いして行きたいです。

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