麹(こうじ)の力


『糀には美肌がある!』と聞いたら、驚きますか・・・

実は、2018年東京工科大学大学の研究で、20~40代の女性に、糀の割合が高い味噌汁を1日2杯、

4週間、飲んだ人は、飲まない人に比べて、肌の水分保持量が増えて、シミが減少していたことが

分かったのです。(Foods. 2018 Jun 18;7(6):94)

「糀」は日本独自の漢字で、本来は「麹」です。

米に麹菌を足して発酵・繁殖させたものを米糀(こめこうじ)と呼んでいます。

麦に麹菌を足したものは「麦麹」、豆に麹菌を足したものは「豆麹」です。

糀は、酵素の宝庫で、炭水化物を分解するアミラーゼ、タンパク質を分解するプロテアーゼ、

脂質を分解するリパーゼなどたくさんの酵素を保持しています。

2016年の研究では、糀(麹)に含まれる、グルコシルセラミドには、腸内環境(細菌)の改善作用がある

ということが発表されています。

グルコシルセラミドは、善玉菌であるブラウティア・コッコイデスを増やすことがわかっています。

また、グルコシルセラミドそのものに、メタボ改善効果もあります。

研究では、グルコシルセラミドを100mg/日食べていくと、腸内環境改善の期待ができるようです。

現代の日本人は、グルコシルセラミドを25.7~77.1mg/日ぐらい食べているそうです。

2016年の広島大学の研究では、米麴菌に含まれる、酸性プロテアーゼを食べると、腸内ビフィズス菌が

著しく増加することがわかりました。

また、2011年の研究では、糀に含まれる酸性プロテアーゼが免疫寛容(免疫の収束)を促す

Treg細胞を増やし、これによって抗炎症作用に貢献するようです。

(J Immunol. 2011 Apr 1;186(7):3966-76)

他にもさまざまな効果が認められています。

糀(麹)はカビの仲間ですが、危険性は無いのでしょうか?糀は安全なカビなのです。

糀(麹、A.oryzae)は、FDA(食品医薬品局)によって「一般に安全と認められている(GRAS)」

としてリストされており、その安全性はWHO(世界保健機関)によって支持されています。

一般に、カビ毒と呼ばれているものは、アフラトキシンという毒性成分で、

これは、アスペルギルス・フラバスなどの有害なカビが発生するものであり、麹菌である、

ニホンコウジカビ

ショウユコウジカビ

クロコウジカビ

などはカビ毒をいっさい生成しないのです。

糀(麹)は国菌にも指定されているほど、日本の食文化を支えてきた、有益な菌です。

麹菌は、味噌、醤油、酒、酢、鰹節、みりん、焼酎など多くの発酵食品を製造する過程で必要です。

毎日のお食事に麹を取り入れましょう。

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