多汗症(手汗)の栄養対策

多汗症(手掌多汗症、Palmar Hyperhidrosis)とは、手のひらや足の裏などに汗を多くかく症状です。

緊張をしていない状態や涼しい時でも手にたくさん汗をかいてしまうこともあります。

汗をかく量にも個人差があり、少しの汗の人もいれば、大量に汗をかく人もいます。

今回は、遺伝や体質というものを除いて、栄養面との関係をまとめていきたいと思います。

①鉄欠乏

以前から、鉄欠乏と多汗症の関係は報告されています。

まずは鉄不足や鉄欠乏が無いかを確認しましょう。

特に、子どもや閉経前の女性です。私たちは鉄分をきちんと食べています、という方もおられる

かもしれませんが、食べていても不足している人は多くいます。

そのため、血液検査で、ヘモグロビンだけでなく、フェリチン値も調べるといいでしょう。

②カルシウム、マグネシウム

2011年の研究では、多汗症の人はミネラル不足に陥っているということが報告され、

特に、カルシウム、マグネシウムの不足に注意することを述べています。

(Int J Dermatol. 2011 Sep;50(9):1071-4)

食事からカルシウム、マグネシウムがきちんと摂れているかを確認しましょう。

③GABAの低下とビタミンB群

興奮を抑えるGABA(ギャバ)という神経伝達物質が、体内で不足すると、発汗の亢進の引き金になる

ことがわかっています。(Osaka City Med J. 2009 Dec;55(2):99-108)

GABAの合成には、ビタミンB6が必要です。実際に、ビタミンB6は、発汗などの症状を抑えることが

わかっています。もし、サプリメント補給をする場合は、全てのビタミンB群が配合された、

ビタミンB複合体(コンプレックス)が良いです。

相乗効果もありますが、ビタミンB群には発汗を抑えるものがあるからです。

④ビタミンC、ビタミンEとセレン

何かの病気が原因で(例えば甲状腺機能亢進症など)、二次性の多汗症が起こることがあります。

その場合、効果的なのが、ビタミンCとビタミンE、そしてセレンです。

ビタミンCは甲状腺機能亢進症による酸化ストレスを食い止めます。

また、ビタミンEとセレンも相乗的に働き、甲状腺機能亢進症によって引き起こされる

酸化ダメージから細胞を保護します。

セレンは毛細血管壁を強化し、毛細血管の拡張を減少させ、多汗を減らします。

ビタミンEは、寝汗や手汗を軽減するのに効果的であることが示されています。

⑤ハーブ

最後にハーブです。

・ウィッチヘーゼル

・ゴボウ

・ティーツリーオイル

・パッションフラワー(チャボトケイソウ)

このようなハーブ系のものも多汗症に使われることがあります。

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