しいたけの栄養効果

シイタケは大分県の特産で、特に乾燥シイタケが有名です。

とても栄養価が高くエビデンスも多い食材です。

【きのこの最新論文】

2022年2月アメリカのペンシルベニア州立大学が論文発表をしました。

アメリカ人の疫学調査をしたところキノコの消費量が増えるほど認知機能低下のリスクを下げる事ができますよ。という発表がありました。

【シイタケの栽培】

●菌床栽培

シイタケの栽培はほとんどが菌床栽培になります。

おがくず、やふすまの菌床というのがあり、そこに種菌を入れて育てます。

●原木栽培

元々は原木栽培といって原木に穴を開けて種菌を植え込んで1年かけて育てる方法でした。

現在は中々原木シイタケが売っていません。

栄養価的には変わりありませんが、香りが良いのは原木シイタケになります。

【乾燥シイタケと歴史】

シイタケは乾燥すると旨味成分が凝縮され増えるため、だし汁によく使われています。

例えばグアニル酸が増えます。

シイタケは今でこそスーパーでお手軽に購入でいますが、昔は栽培がとても難しく、シイタケを食べるには秋や春の時期に山に採取するしかなく高価で貴重な食材でため献上品でもありました。

お殿様だけでなく中国にも乾燥保存して運ばれていたという記録があります。

シイタケを好んでいた武将は、室町時代:足利将軍 安土桃山時代:豊臣秀吉が食べていた記録が残っています。

【シイタケの栄養学的特徴3つ】

低カロリーでビタミン・ミネラルが豊富でダイエット食材としても重宝しますが、

今回は薬効成分にフォーカスしてお伝えします。

①β-グルカンが豊富

もち麦やオートミールのような穀物に豊富であるとお伝えしてきました。

もち麦やオートミールに含まれるβ-グルカンは『水溶性』で

キノコに含まれるβ-グルカンは『不溶性』になり、構造や特徴が違います。

キノコに含まれるβ-グルカン(不溶性)は免疫活性に大きく関与します。

腸内環境を整えるのにも良いです。

特にβ-グルカンの一種の『レンチナン』が注目されています。

免疫活性に働き、以前日本で認可された抗がん剤としても使用されていました。

天然成分のため副作用も少なく特に胃がんに効果的であるという報告があります。

日本で認可されて1986年頃より胃がんの治療薬として使用されていました。

最近は新しい抗がん剤が次々と開発された為『レンチナン』を取り扱っている医薬品会社はありません。

②エリタデニン

高脂血症など脂質代謝が悪い人(血液の中に余分な脂が溜まってドロドロした人)

コレステロールなどを下げるのにシイタケに含まれる『エリタデニン』が効果的です。

脂質代謝が悪い人の他にも血管の詰まりを防ぐ効果、高血圧の方にも効果的です。

③エルゴステロール

アミノ酸の一種でビタミンDの前駆体です。(後からビタミンDになる物質)

生シイタケは微量ながらビタミンDを含んでいます。

簡単で面白い実験です。

調理する前にシイタケを日光に当てると一気にエルゴステロールがビタミンDに変わります。

ビタミンDを多く溜め込んでそれを食べれば体の中で活性化していきます。

シイタケの傘のひだの部分にエルゴステロールが多く存在し、そのひだの部分に30分間日光を当てるとビタミンDが一気に増えます。

認知機能低下を予防します。

【キノコの栄養価の増やし方】

●日光に30分間当てる(ビタミンD前駆体が日光によりビタミンDに変換されるため栄養価UP)

●冷凍する(冷凍により細胞壁が壊れるため栄養価UP)

【乾燥シイタケを使おう!】

生シイタケの栄養価

100g中

食物繊維4.2g カリウム280mg 亜鉛1.0mg

ビタミンΒ1・Β2・パントテン酸も多いです。

カロリーは19kcalと低くダイエット食材になります。

乾燥シイタケの栄養価

100g中

食物繊維41g カリウム2100mg 亜鉛2.3mg

マグネシウム110mg 鉄分1.7mg ビタミンD12.7μg

※他のビタミンも増えます。

旨味成分のグアニル酸やグルタミン酸も増えます。

乾燥シイタケは栄養価が上がるため是非使ってみてください。

〈基本の乾燥シイタケの戻し方〉

・軽く水洗い

・傘の部分を上にして容器に入れる

・冷水に浸し冷蔵庫保存(4、5時間〜半日程度で戻ります)

〈時短方法〉

・軽く水洗い

・傘の部分を上にして容器に入れる

・ぬるま湯に浸し常温に置いておくと2〜3時間で戻る

〈さらに時短方法〉

・軽く水洗い

・傘の部分を上にして容器に入れる

・ぬるま湯に10分ほど浸す

・電子レンジで数十秒温める

※戻すために使用した水はそのまま出汁として使えますので味噌汁などでお使いください。

【虫歯との関係性】

シイタケは虫歯の対策になると研究報告されております。

虫歯の予防としては、甘い物は控えるという事が一番です。

そしてシイタケなどのキノコ類を摂取することで、う蝕の予防につながります。

その他にう歯予防として緑茶、プロポリス、ニンニク、クランベリー、キノコなどがあります。

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