イチゴの健康効果

【本来のいちごの旬】

・晩春(5〜6月頃)

→現代ではハウス栽培が増えクリスマスシーズンの時期にも店頭に並んでいます。

【いちごの分類】

・バラ科 イチゴ属

・世界では18世紀頃より甘くて大粒ないちごが作り出されています。

・19世紀の江戸時代末期にオランダからいちごが入ってきたので当時オランダいちごと言われていました。

・いちごは果実という言い方が正しくないかもしれません。

 → 食用している赤い部分は、果実の実ではなく花托(かたく)もしくは花床(かしょう)と言って花の部分が発達したものであり、表面に分布する粒々がそれぞれ果実です。

【白いいちご】

・贈答品でデパ地下なので見かけます。お値段も高く、1500〜2000円程度です。

・『初恋の香り』『天使の実』『雪うさぎ』などの品種があります。

・特徴として赤いいちごよりも糖度が高いです。

【いちごの美味しい部分】

いちごのどの部分が甘くて美味しいか?

①ヘタの周り ②真ん中 ③先端→正解は③の先端になります。

【いちごの栄養的特徴】

■ビタミンCが豊富

いちご100g中/ビタミンC62mg 、カリウム170mg、葉酸90μgと栄養価高い。

■抗酸化作用がある

・ポリフェノールが多い:エラグ酸(抗がん作用)、アントシアニン

・フラボノイドが多い:カテキン、ケルセチン、ケンフェロール

・有機酸が多い:クエン酸、リンゴ酸

・抗酸化成分は、美肌効果やアンチエイジングの期待ができます。これはコラーゲンの合成を強く促し、メラニンといいシミの原因となるメラニンの生成を抑える効果がありシミ・シワ対策になります。

【生産地】

1位:栃木 日本全体の生産量の16%を占めています。とちおとめが有名です。

2位:福岡 日本全体の生産量の10%を占めています。あまおうが有名です。

3位:熊本 日本全体の生産量の7%を占めています。

【いちごの抗酸化力】

日本で入手しやすい野菜、果物の抗酸化力テストというものがあります。

その結果、

1位:パプリカ

2位:紫蘇

3位:ブルベリー、いちご

となりました!

【研究論文】

■2019年ドイツの研究発表

いちごとブルーベリーの抗酸化力が非常に高いと発表しています。

■2011年アメリカの研究発表①

24人の成人、過体重の方を対象にいちごを摂取してもらいました。

その結果肥満の方はCRP(炎症のマーカー)が高くなる傾向になりますが、いちごを摂取すると平均してCRPが減少しました。いちごは抗炎症作用があると発表されました。

■2011年アメリカの研究発表②(カルフォルニア大学デービス校)

24人の成人、過体重の方を対象に6週間いちごを摂ったグループと摂っていないグループに分け研究されました。その結果『インターロイキン−1β』と『PAI−1』という炎症マーカーが減少しました。

■2016年アメリカの研究発表(イリノイ工科大学)

21人の成人、過体重の方を対象に高脂肪食の朝食を摂取しフリーズドライにしたいちごを摂取してもらいました(高脂肪食を摂取すると炎症マーカー、酸化ストレス、血中脂質の上昇が食後に見られます)。

その結果、

・LDLコレステロールが低くなった(血中脂質への効果がある)

・インスリン濃度が低下した

■2017年アメリカの研究発表(オクラホマ州立大学)

17人の成人、過体重の方対象にいちごを摂取してもらうと炎症マーカーが下がったという報告があります。『インターロイキン−6』が減少しました。

2010年からの研究発表を踏まえると、何かしら炎症や酸化ストレスを持たれている方はいちごをしばらく摂取すると抗酸化活性が効き、血液が綺麗になるかもしれません。

血糖コントロールの話をすると、2型糖尿病患者36人を集めて6週間いちごを摂ってもらった研究発表ではHbA1cやCRP、マロンジアルデヒド(酸化の指標)が大幅に低下しました。

また別の研究では、糖質の多い食事をしていちごを摂取したグループと摂取しないグループに分けた研究で、高糖質な食事をしていてもいちごを摂取したグループは血糖値スパイクが減少したと報告されました。

がんの試験管研究では、がんの腫瘍にいちごの成分が抗がん作用があると報告されました。

ベリー類(ストロベリー、ブルーベリー、ラズベリー、ブラックベリー等)は抗がん症が強いと言われています。

■2001年アメリカの研究発表(ミシシッピ大学)

いちごの成分が乳がん細胞株に対して抗腫瘍活性が見られたと発表されています。

子宮頸がん細胞株にも同様に抗腫瘍活性が見られました。

試験管レベルでは抗がん作用があるとわかっています

・コーネル大学:いちごには抗腫瘍活性があると発表

・オハイオ州立大学:2013年口腔がんになったハムスターにフリーズドライのいちごを与えたところ腫瘍形成を阻害したと発表

・肝臓がんの細胞核に関してもがんの増殖を止めたと言う報告もあります。

【残留農薬について】

これまでの研究発表は市販されているいちごをランダムに使用した結果です。

アメリカのいちごには残留農薬が多いと環境保護団体EWGが毎年報告しています。

しかしそのいちごを使った研究でも血糖コントロールを良くした、血中脂質の数値が良くなったとか抗酸化が上がったとか抗炎症の炎症マーカーが下がったということを考えたら残留農薬のデメリットよりも、メリットの方が大きいと考えるべきです。

ベリー類の中でも抗酸化活性が強く、フルーツの中でもトップクラスに抗酸化活性が強いので食べねいのは勿体無いです。ホタテ貝殻パウダーなど利用してしっかり洗って残留農薬をとって食べれば良いと思います。

12月はやや酸味の方が強いので、甘くて美味しい時期は1〜2月と思います。

残留農薬に関して皆さん、賛否あると思いますので、ご自身の基準でお付き合いいただければと思います。

また、重曹水や貝殻の焼成パウダーなどを利用すれば、残留農薬の除去に貢献できるのではとされています。

【いちごの健康効果まとめ】

・抗酸化作用

・炎症マーカーを減少させる

・血中脂質の代謝をよくする

・抗がん作用がある

・血糖コントロールがよくなる などです。

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