アンコウに含まれる栄養素が持つ効果・効能・働き!
タンパク質が健康維持に
アンコウにはタンパク質が多く含まれます。タンパク質は人間の体を健康に保つために欠かせない栄養素で、筋肉や皮膚、臓器を構成するだけでなく、ホルモン・抗体・酵素などの材料となる物質です。
特に身の部分は脂質が少なくカロリーが低い上に、タンパク質が豊富。体作りやダイエットにも役立ちそうです。
ビタミンAは目や皮膚を正常に保つ
アンコウの肝には脂溶性ビタミンが豊富に含まれますが、その中でもビタミンAの含有量はトップクラスです。
ビタミンAは上皮細胞の生成に関わり、目の粘膜や皮膚の健康を維持する働きがあります。また、視機能の改善にも役立ったり、免疫機能を正常に働かせたりなど私たちの健康を支えている大事な栄養素です。
ビタミンDが骨を強くする
アンコウの肝に含まれるビタミンDには、カルシウムの利用効率を高める作用があります。血液中のカルシウム濃度を調節することで、骨の成長をサポートしてくれるのです。
さらにビタミンDは筋肉の機能を維持する作用もあると言われています。高齢者の場合、骨粗しょう症を防ぐだけでなく、筋力低下による転倒リスクも軽減してくれるでしょう。
EPAやDHAが動脈硬化や認知症予防に
アンコウの肝は非常に栄養価の高い部位で、EPAやDHAなどの不飽和脂肪酸も豊富です。EPAは中性脂肪の低下作用のほか、LDLコレステロールを減らす作用も注目されています。LDLコレステロールが低下すれば、高血圧症や動脈硬化の予防にもつながるでしょう。
DHAは脳に取り込まれる性質があり、脳機能の活性化に役立つ栄養素です。継続摂取により、認知機能の改善効果が期待されます。
コラーゲンで健康的な肌へ
アンコウのヒレや皮にはコラーゲンが多く含まれています。コラーゲンは骨や血管、臓器を構成する成分のひとつ。特に皮膚を構成する主要成分で、皮膚の約70%はコラーゲンが占めています。健康的な肌を保つには重要な栄養素と言えるでしょう。
ただしコラーゲンは単体で摂取しても、体内でコラーゲンの再合成がうまく行われません。ビタミンCやビタミンA、タンパク質などと一緒に摂取するのが好ましいと言われています。アンコウにはビタミンAやタンパク質が豊富なので、健やかな肌作りを後押ししてくれそうです。
アンコウの食べ方や注意点
アンコウの栄養素を損なわない選び方・調理方法・食べ方などを解説します。
アンコウの選び方
旬の時期にアンコウを買う場合、選び方にコツがあります。丸ごと1匹の状態では、体表のヌメリが透明なものを選ぶと良いでしょう。さらに艶があり、体にハリが感じられるものも新鮮な証拠です。
ただしアンコウはさばくのに技術が必要なため、ご家庭で楽しむには切り身を買うのが手軽でしょう。切り身の場合は、身に透明感がありピンク色のアンコウを選ぶようにしてください。鮮度が落ちると、身が白っぽくなるのでよく見極めましょう。
自宅でも楽しめるアンコウ料理
アンコウの代表的な料理は鍋や唐揚げです。アンコウ鍋は醤油または味噌仕立てのスープで煮込むもので、ヒレから皮、肝まで余すことなく楽しむことができます。そのほかバターソテーや煮付けなどのレシピもおすすめ。
ただしアンコウはアニサキスという寄生虫の影響で、新鮮なものでないと生で食べられません。刺身を味わいたい場合は、専門店を訪れるようにしましょう。青森県の風間浦や茨城県の大洗には生のアンコウが食べられるお店があります。
プリン体の豊富なあん肝
あん肝には、尿酸値に影響を与えるプリン体が多く含まれています。体内に摂取されたプリン体は尿酸に変化し、結晶化すると通風を招く物質です。
そのためすでに痛風を患っている人や治療中の人は摂取量に気をつけましょう。公益財団法人 痛風・尿酸財団が作成した「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」では、痛風の治療中は1日400mgを目安にプリン体の摂取を制限するよう記載されています。あん肝100gあたりのプリン体量はおおよそ400mgです。
妊婦は過剰摂取に注意
あん肝に含まれるビタミンAは、胎児の正常な発達には必要不可欠な栄養素です。ただし妊娠初期に過剰摂取すると、胎児に奇形が生じるリスクが高まるので注意しましょう。
妊娠初期におけるビタミンAの摂取量目安は1日700μgです。おおよそ生のあん肝8gあたりのビタミンA含有量が664μg。一般的に普通の食事で栄養過多になる危険性は少ないですが、食べる量と頻度は意識したほうが良いでしょう。
特にビタミンAのような脂溶性ビタミンは尿として排出されないので、体内に溜まりやすい傾向があります。妊娠中以外でもビタミンAの摂り過ぎはめまいや頭痛を起こす場合があるので気をつけましょう。
アンコウの保存方法
アンコウの栄養素を損なわない保存方法を解説します。
アンコウに限らず魚類は鮮度が重要です。長期保存したい場合は、購入したその日にすぐ冷凍保存しましょう。切り身は臭みの原因となるドリップをよく拭き取ってから、ラップに包みます。1匹丸々の場合は、傷みの早い内臓を取り除いてから保存してください。
いずれにせよ、急速冷凍が鮮度を保つ鍵です。金属製のトレイに載せて冷凍庫に入れれば、早めに凍らせることができます。なお、あん肝は生のままで冷凍できないので、必ず蒸すか茹でてから保存しましょう。
冷凍保存期間の目安は2週間ほど。食べる際は流水をあてたり、冷蔵庫に移したりする方法がおすすめです。
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