レバーの栄養価

レバーと言うと、鉄と思う人も多いかもしれませんが、それ以外にもビタミン、ミネラルなどの栄養素

が豊富に含まれています。鶏レバーなら、一日19g、または、週に一度、焼き鳥のレバー1本は食べた方がよい食材です。

普段不足しがちな栄養素が豊富

レバーには、栄養価の高さから乳幼児の栄養補助として離乳食などにも使われています。

レバーに含まれる鉄分は、身体に吸収されたすく、貧血防止になります。

血液中の赤血球には体中に酸素を運搬する働きがあり、鉄分は赤血球の構成成分として

使われています。鉄分が少なくなると、赤血球の減少により酸素が行き渡らず、

貧血を引き起こしてしまうのです。

厚生労働省の日本人の食事摂取基準によると、月経のある成人女性が1日に必要とする鉄分は

10.5g~11.0gですが、実際に摂れている量は6.8~8.9gであり、意識して鉄分を摂る必要があります。

レバーには、鉄分が非常に豊富に含まれているため、少量を食べるだけでも不足分を補うことができますよ。

目や皮膚を健康に保つビタミンA

ビタミンAはいくつかの成分からできているのですが、その主成分はレチノールという栄養成分です。

レチノールは目や皮膚の粘膜を健康に保つ効果があり、不足すると薄暗いところで視力が維持

できなくなったり、皮膚が乾燥したりといった症状がでてしまいます。

レバーには、このレチノールが豊富に含まれています。ビタミンAは油と相性が良い栄養素なので、

油で炒めたり揚げたりすると効率よく吸収できます。

疲れの予防にビタミンB1、ビタミンB2

ビタミンB1は糖質、B2は糖質や脂質からエネルギーを作り出す際に必要とされる栄養素です。

ビタミンB1、B2が不足するとエネルギーがうまく作り出せず、疲れやだるさを感じるようになります。

さらにビタミンB2は皮膚や髪、爪の再生にも関わっており、不足することで口内炎など皮膚や粘膜に

炎症が生じる可能性があります。

特に運動習慣のある方はより多くのビタミンB1が必要となるので、積極的に摂取しましょう。

新しい細胞を作るのに欠かせない亜鉛

鉛は鉄分と同じミネラルの一種で、食べ物の消化・吸収・代謝に関わる酵素を作る際に必要な栄養素です。

さらに細胞内に存在するDNAの合成にも使われ、新しい細胞が作られる骨や肝臓などの臓器組織では

欠かせない存在なのです。

しかし、近年食生活の乱れから亜鉛不足になり味を感じにくくなるなど、味覚障害を訴える方が

増えています。

食事摂取基準によると、成人男性では11mg、成人女性では8mgの亜鉛の摂取が推奨されています。

豚レバー100gには6.9mgの亜鉛が含まれているので、推奨量の半分以上を補うことができますよ。

牛・豚・鶏レバーに含まれる栄養素の違い

(100gあたり)牛レバー豚レバー鶏レバー
カロリー(Kcal)119114100
糖質(g)3.72.50.6
タンパク質(g)19.620.418.9
脂質(g)3.73.43.1
鉄(mg)4.013.09.0
亜鉛(mg)3.86.93.3
ビタミンA
(㎍REA)
11001300014000
ビタミンB1(mg)0.220.340.38
ビタミンB2(mg)3.003.61.8
葉酸(㎍)10008101300
参考:日本食品標準成分表2020年晩(八訂)

牛レバーと豚・鶏の栄養素の大きな違いはビタミンAです。

豚、鶏レバーは牛レバーの10倍以上のビタミンAを含んでいますが、牛レバーでも十分な量を含んでいます。

さらに、鉄と亜鉛に注目してみると、豚レバーが他の2つと比べてより多く含まれていることがわかります。

このように、鶏、豚、牛レバーには若干の違いがありますが、いずれにしても栄養豊富であることに変わりはありません。

栄養豊富でも食べ過ぎは禁物

栄養豊富でカロリーが低めであれば積極的に食事に取り入れたいところですが、

レバーの食べすぎには注意が必要です。一番注意が必要なのはビタミンAの過剰症です。

一度に大量に食べた場合、腹痛やめまいなどが現れてその後皮膚が粉をふいた状態になります。

また、毎日一定量を食べ続けた場合は関節や骨の痛み、皮膚の乾燥や脱毛といった症状が現れます。

毎日大量に食べていると痛風になる可能性もレバーには痛風の原因となるプリン体が多く含まれています。

プリン体は体内で尿酸に変換され排出されますが、血液中の尿酸量が多くなると尿酸が結晶化し関節等に沈着します。すると息を吹きかけただけで関節に激痛が走る、いわゆる痛風になってしまうのです。

レバーを食べる際には適量を心がけましょう。

「レバーを食べると髪の毛が薄くなる」のは本当か

インターネットなどでは「レバーを食べると髪の毛が薄くなる」という噂を目にします。

確かにレバーに含まれるビタミンAを摂り過ぎることにより、脱毛の症状が現れる可能性はあります。

ただし、適量を食べる分には特に気にする必要はないでしょう。

1日の目安量

食事摂取基準では成人のビタミンAの上限量は2700μgREAとされており、これを鶏レバーに換算すると19g、豚レバーでは約20gになります。

レバー串が1本約40gですので、1日の食べる量はレバー串約1/2本以下を目安にすると食べ過ぎを防ぐことができますよ。

また、プリン体についてもレバー串1/2本なら59.3㎎で、痛風を予防する目安量である400㎎を超えることはありません。

ただし、他にも魚介類にもプリン体が多く含まれているので、痛風が気になる方はレバーだけでなく、バランスが大切です。食べ過ぎに注意しましょう。

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