「食事によるマグネシウム摂取が多いほど、末梢動脈疾患の発症率が低下する」という報告です。
(PLoS One . 2023 Aug 11;18(8):e0289973)
「末梢動脈疾患」とは、足の血管に動脈硬化が起こり、血管が詰まってしまい、
足に十分な血液が流れなくなる病気のことです。
症状として、足がしびれる、痛い、冷たいなどがあります。
この新しい研究は、1999年~2004年までの米国国民健康栄養調査(NHANES)の
参加者 5969 人のデータをもとに食事由来のマグネシウムと末梢動脈疾患の関係を調査したものです。
結果、マグネシウム摂取量がもっとも少ないグループ(<179mg)では、もっとも多いグループ
(>343mg)と比べて、末梢動脈疾患のオッズ比が1.56倍にもなりました。
※オッズ比・・・事象の起こりやすさを示す比率
過去の研究でも、血清マグネシウム濃度が低いと、動脈硬化症のリスクが上がることは報告されて
いました。(Atherosclerosis. 2019 Mar;282:196-201)
(Nephrol Dial Transplant. 2020 Nov 1;35(11):1878-1885)
また、2 型糖尿病患者の研究でも、血清マグネシウムレベルが低いと、末梢動脈疾患を併発しやすい
ことが判明しています。
(Clujul Med . 2013;86(3):235-9. Epub 2013 Aug 5.)
マグネシウムが動脈硬化を予防する仕組みはさまざまなことが考えられています。
・カルシウムへの拮抗
・血管拡張と末梢動脈血流の増加
・NO(一酸化窒素)の増による血管収縮の軽減と、血液循環の促進
・炎症の抑制
・血管石灰化の予防
・脂質異常、メタボ、高血圧の予防
など。
生命の基礎ミネラル、マグネシウム!マグネシウムの理想的な摂取量は350~500mg/日です。
また、マグネシウムを多く含む食品は、
まず
①豆や種
②海藻類
です。
他にも、干しエビ、煮干し、紫蘇、つるむらさき、モロヘイヤ、なども、マグネシウムをたくさん含み
ますので、ぜひ、意識して食べてください。
1カップあたり数滴のにがりを利用することも良いです。
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