腸内細菌の最高の餌 スーパーフード
海藻をよく食べる人は、がん、糖尿病、心臓病、脳卒中などの生活習慣病のリスクが極端に低く、長寿者が多いということが発表されています。中でも海苔は栄養価の高い海産物です。海苔はもともとヌラ(ぬるぬるするの意)が語源です。この滑りの元は、ラムナン硫酸です。昆布やもずくなどの渇藻類にはフコイダンという硫酸多糖類が含まれていますが、海苔にフコイダンは含まれてなく、ラムナン硫酸が多く含まれています。海苔には様々な種類があります。ヒトエグサとアオサ属アオサ、アオノリは全く別物です。このヒトエグサのラムナン硫酸は、様々な効果が報告されています。
- ウイルスを排除する働き
- 肥満・メタボを遠ざける
- 抗炎症作用
- コレステロールが減る
- 血管若返り
- 血栓ができにくくなる
- 血糖値を下げる
そもそも海藻は消化が難しいと言われているので、消化吸収は期待できるのでしょうか。フランスの研究では、日本人には、海藻に含まれる食物繊維であるポリフェランを分解する酵素を持つ、ゾベリア・ガラクタニボランス」と呼ばれる海洋細菌と同じ酵素を作り出せることがわかっています。世界的な科学雑誌ネイチャーに掲載されました。日本人の遺伝子を調べると、このZ・ガラクタニボランスと同じ酵素を持っていました。日本人の腸にZ・ガラクタニボランスがいるわけでなく、日本人の腸に住み着いているバクテロイデス・ブレビウスがこの遺伝子を持っていたのです。そもそも他国の人の腸に生息するB・ブレビウスは海苔を分解する酵素遺伝子を持っていたからです。しかしこの論文は、落ち度も合ったために2016年にこの検証を早稲田大学と東京大学の研究グループが立ち上が理、12カ国の超マイクロバイオームの大規模研究が行われました。結果、海苔やわかめ分解する酵素遺伝子が90%の日本人に保有されていたのです。これに対して、たの11カ国ではその保有率が0〜15%とnああり海藻分解酵素の遺伝子が日本人集団に特徴的に広く分布していることも明らかになりました。さらに日本人の腸内環境は12カ国中、最もビフィズス菌とブラウティア菌などの善玉菌が多くメタンガスを作るメタのブレウィバクテル・スミティーなどは少なかった。海藻類は大腸内で発酵され酪酸をつくりやすくこの酪酸は腸の粘膜をサポートしたり、大腸のエネルギー源となったり腸内環境を改善する働きがあります。
青のりの栄養価は非常に高く、100g中、タンパク質29.4g、食物繊維35.2g、カルシウム750mg、マグネシウム1400mg、カリウム2500g、鉄分77mg、亜鉛1.6mg、ヨウ素2700μg、βカロテン21000μg、ビオチン71gと高い栄養価ですが、青のりを100gも食べることはありませんが、2〜3g食べたとしてもとても効率の良い食べ物です。また、海藻類にはEPAも豊富で、多い順は、1位海苔、2位めかぶ、3位わかめ、4位昆布です。2021年の佐賀大学の研究では、海苔に含まれるEPAは、きちんと人の体において利用されることを発表しています。また、2013年の研究では、海苔には免疫を活性化させる効果が見られると報告しています。そして2009年の熊本大学の研究では、海苔の成分には、インスリンに似た性質があり、血糖コントロール作用が見られることを発表しています。海苔はすごいスーパーフードです。最後にノリの選び方です。黒色ほど良質と言われるが、濃い緑色にも良いのりはある。
やや赤みを帯びた黒色で良いものもあるが、紫がかった色の海苔は古いことが多い。表面がザラついたものは漁場で年をとって糖質が多く美味しくない。口に含んでとろりと溶け出さない海苔は、旨味成分のアミノ酸などが少ない。
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