脂肪はおもに2つの種類に分かれます。内臓脂肪と皮下脂肪です。
皮下脂肪は、名前のとおり、皮下につく脂肪のことで、下腹部・腰まわり・おしりなどにつきます。
内臓脂肪は、胃、腸などの臓器のまわりにつく脂肪のことです。
内臓脂肪はもともと、体のエネルギーが不足したときに素早くエネルギーに変換される脂肪です。
ところが、皮下脂肪よりも内臓脂肪がたまってくると、さまざまな問題を引き起こします。
内臓脂肪の過剰蓄積は、いわゆるメタボリックシンドロームに繋がり、高血糖、高血圧、脂質異常、
動脈硬化などの症状に至ります。
内臓脂肪の原因は、おもに精製された糖と、太りやすい油です。
歳を重ねていくと、こうした食事は、より顕著にあらわれます。
精白された穀物、精製されたデンプン質、砂糖、果糖ぶどう糖液糖、動物性油脂の摂りすぎ、
こうしたものは、内臓脂肪の原因となりやすいのです。
一方、全粒穀物などの複合炭水化物は、内臓脂肪を抑えることが報告されています。
(Plant Foods Hum Nutr. 2018 Sep;73(3):161-165)
内臓脂肪対策として、私がオススメする複合炭水化物は、
・玄米
・もち麦
・オートミール
・フルーツ
・イモ類
などでしょう。
ただし、玄米でも太る人は太ります。
その場合、もち麦を3~5割混ぜたご飯にしたり、オートミールのほうがまだよいでしょう。
それでも、効果が無い人は、炭水化物そのものの量をいったん減らし、
おかず食いでしばらく様子を見るのがいいかもしれません。
(炭水化物ゼロにするべきではありません)
そして、調子が戻れば、
複合炭水化物を徐々に再開していってください。動物性油脂については、
あくまで摂りすぎが問題であって、そのものが悪いというわけではありません。
加工肉、霜降り肉、脂身の多い肉を控え、赤肉や脂身の少ないお肉などを選びましょう。
また、ストレスがつねに多いと、コルチゾールというストレスに対抗するホルモンが異常に増え、
コルチゾール過剰分泌は内臓脂肪を増やしやすく、ストレスを回避することも重要です。
さらに、睡眠不足も内臓脂肪の原因となります。
そもそも日本人は、白人よりも内臓脂肪がつきやすいです。
なので、痩せ型なのに、実は内臓脂肪が多い、という人も少なくありません。
では、ここで内臓脂肪の対策となる、食事ポイントをまとめてみたいと思います。
①食べる順番
高血糖体質は太りやすくなります。よって、血糖値を極端に上げないように、サラダ、副菜→
メインのおかず→主食というように、食べる順番を徹底しましょう。
高血糖を招きやすい外食時には、メタバリアやサラシア100などを持参して、食前に摂ってもいいと思います。
②カロリー
カロリー過多は内臓脂肪の原因になります。
若い頃は、高カロリー食でもすぐに太ることはなかったとしても
年を重ねていくと、やはり脂肪がつきやすいです。
また、極端なカロリー制限は、内臓脂肪がつきやすいことがわかっています。
ご自身に合った適切なカロリーにしましょう。
③食材選び
内臓脂肪がつかないように食材選びはとても重要です。簡単に言えば、低GI、低GLの食材にします。
GI値(Glycemic Index)とは、食品ごとの血糖値の上昇度合いを推測した数値です。
この数値が低いものを低GIといいます。
これに対して、現実的な通常の一人分の食事量を考慮した血糖値上昇の度合いをGL値といいます。
低GI、低GLの食材については、ネットなどで調べておきましょう。
これらは、高血糖になりづらいだけでなく、インスリンを過剰に分泌させない食材でもあります。
インスリンは血糖値を下げるだけでなく、脂肪を合成するホルモンでもあります。
こうした低インスリン食の考えは、内臓脂肪を予防する中ではとても大事です。ほか、
・野菜、フルーツ
・プロテイン
・BCAA
・MCTオイル
・亜麻仁油、えごま油
こうしたものは、内臓脂肪の対策となる食材です。積極的に摂っていきましょう。
④惣菜や外食のしすぎに注意する超加工食品の食べ過ぎは、内臓脂肪の原因となります。
また、お店を選ぶことも大事です。できるだけ手作りをしているお店にし、それでも、毎日外食する
ことはできるだけ避けましょう。さて、内臓脂肪は放っておくと、異所性脂肪(肝臓、心臓、すい臓、
筋肉部)になります。
これにより、各臓器の機能が低下し、さらにインスリン抵抗性へと誘導され、糖尿病、認知症、がん、
アレルギー、便秘、ガス腹などを招いてしまいます。そして、太るほど食欲が増します。
脂肪細胞は、レプチンという食欲を抑えるホルモンを分泌し、これが大量になると、レプチン抵抗性と
いって、効きが悪くなり、結果、食欲が抑制される働きが弱ります。
肥満の方は、まずは適切な食事でダイエットしていきましょう。
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