慢性疲労の食事療法

疲労の原因は様々ですが、分子レベルで突き止めると原因の一つは「活性酸素」です。

若い頃は抗酸化酵素をたくさん持っていますが、加齢と共に減少していくためケアが必要です。

※基礎的なこと(睡眠を増やす、精神的ストレスをなくすなど)は割愛し、栄養の視点からお伝えします。

◼︎疲労が起こるのは主に3カ所

①脳…脳が全身をコントロールしており、脳が疲労すると体全体が疲労する。

②副腎…ストレスに対抗する臓器で、「副腎疲労」という概念もあり、副腎のケアをすることが結果的に全身の疲労を軽減することに繋がる。

③腸…腸脳相関と言われ、腸内環境が悪いと脳疲労を起こしやすい。

◼︎ミトコンドリアに注目

・細胞単位で考えると、エネルギーを産生する細胞小器官であるミトコンドリアが疲労と関係している。

・疲れにくい人はミトコンドリアの量が正常で、質が高いが、疲れやすい人は量が少なく、質が低いことがわかっている。

・「ミトコンドリアの質が低い」とは、活性酸素が多い状態であり、活性酸素が増える理由は、加齢、精神的ストレス、栄養状態、生活習慣の悪さなど。

◼︎慢性疲労対策その1:マグネシウム

・マグネシウムが欠乏すると、体の中のエネルギー産生ATPが落ちてしまう。

・エネルギー源のメインは糖質だが、糖質の処理(糖質代謝)をしっかり行うために最も重要なのがマグネシウムである。

・①すい臓でインスリンを分泌、合成する、②インスリンを各組織の細胞に届ける時、③細胞膜に糖の輸送体であるGLUTを発現させる、④細胞質においてブドウ糖をピルビン酸に変換する時、これら全てにマグネシウムは必要となる。

・抗酸化物質であるグルタチオンの合成にもマグネシウムは必要となる。

・ミトコンドリアそのものもマグネシウムが必要で、不足すると元気がなくなってしまう。

→つまりマグネシウムがないと、エネルギーが作られない、活性酸素を消せない、ミトコンドリアが元気にならない…全て疲労の原因に繋がってしまう。

・マグネシウムが足りている人は多くなく、マグネシウム食材を意識して摂れない場合はサプリで補給するのが良い。

・ただしマグネシウムは吸収が難しく、市販の多くのサプリも吸収が難しい。

・マグリポやマグバームは吸収性が良いのでおすすめ。

◼︎水溶性ビタミン「ビタミンC、ビタミンB群」

・貯蔵ができないため毎日摂り続ける必要がある、ビタミンCとビタミンB群は大きく疲労に関わる。

①ビタミンC

・ストレスに対抗するコルチゾールというホルモンの分泌が減少すると慢性疲労に繋がるが、コルチゾールの合成にはビタミンCが必要となる。

・最近では、副交感神経が優位すぎても疲労に繋がることがわかっており、適度な交感神経も大事となるが、これにもビタミンCは有効に働く。

・厚労省は、ビタミンC不足や欠乏にならない量は100mg程度としているが、ストレスの多い現代社会において、がんや糖尿病、慢性疲労に対抗するには最低でも1日500mg(できれば1000mg)は必要。

・厚労省の統計では日本人の平均摂取量は100mgを下回っており、割り切ってサプリを摂るのがおすすめ。

②ビタミンB群

・B1、B2、ナイアシン、パントテン酸などは、エネルギー代謝に必要となる。

・葉酸、B12は血液を作るのに必要。

・特にB1は含まれる食材が限られ、多く含むのは豚肉、米ぬか、胚芽、大豆食品、レバー、ナッツ類など。

・2012年以降の日本人のB1摂取量は極端に減っている。

・B1が欠乏するとエネルギー代謝だけでなく、精神面(幻覚や妄想など)への影響や神経組織への影響が出やすい。

・パントテン酸はエネルギー代謝以外にも、ストレス軽減や慢性疲労の軽減に働く。

隠れカンジダ症(女性に多い)や、隠れ低血糖などの症状がないかも調べる必要があります。
慢性疲労は積み重なったものが数年かけて現れているので、数日で直すのは難しいですが、ぜひ実践してみてください。

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