血流改善

歳を重ねると血流は悪くなります。
運動ももちろん大切ですが、食事、栄養でできることをお伝えします。

■血流を改善すると代謝が上げる

・1日2,000kcalの食事をする人は約500ℓの酸素が消費され(空気約2,500ℓに相当)、この酸素500ℓを溶かすには、血液が100トンも必要になるが、人間の血液量は成人で約5ℓしか持っていない。

・そのため、酸素を多量の赤血球に結合させて、高速で全身に循環させている。

・脳や他の内臓、筋肉組織などがエネルギー(ATP)をたくさん欲しているため、大量の酸素を必要とする。

・高速で循環している血液の流れが停滞してしまえば、全身の臓器のATPのレベルも急降下し始め、代謝障害となる。

・代謝が下がると疲労や肥満、冷えやむくみなどの症状が出るので、代謝改善の第一歩は「血流」の改善にあります。

■血液循環を良くするポイント

・血流を良くする

・高血圧にならないようにする

・血管の弛緩や拡張を促す

・血管の内皮細胞を保護する(血管の病気の多くは内皮細胞で動脈硬化が起きている。)

◼︎血流改善食材

①アリシン
・玉ねぎニンニクに含まれ、血液が固まりやすくなるのを防ぎ、血栓がつくられないようにする効果がある。

・2017年の研究では、冠状動脈疾患(心筋の酸素不足により胸痛発作が起こる病気)の42人を対象とした臨床で、1,200mgのアリシンを含むニンニクパウダー錠を1日2回3か月間摂取すると、プラセボ群(偽薬のグループ)と比較して上腕動脈の血流が50%改善したと報告された。

・タマネギは、アリシンだけでなく「ケルセチン」という強力な抗酸化作用と抗炎症作用のある成分を多く含む。

・2013年日本で行われた23人の男性を対象とした30日間の研究では、毎日4.3グラムのタマネギ抽出物を摂取すると、食後の血流が大幅に改善され、動脈の拡張が良くなった。

・アリシンは水溶性なのでサラダやスープなどで摂るのがおすすめ。

②オメガ3脂肪酸
・2006年アメリカの研究では、運動中のEPA・DHA摂取が、上腕動脈の血流を増加させる
と報告された。

・2017年オランダのアルツハイマー病の研究では、参加者166人を対象にした調査で、オメガ3(EPA、DHA)のレベルが高い人は血流が増加するということが画像検査でわかった。

③ショウガ
・2016年の血管に対するショウガの効果をまとめた論文では、被験者らにショウガをしばらく摂ってもらうと、血管の拡張などを介して高血圧を改善する効果が見られたことがわかった。

・少量でいいので毎日食べるのがおすすめ。

④ほうれん草、ビーツ
・常識の範囲内でとる硝酸塩は体にとって大切で、硝酸塩が豊富な野菜は血管内で一酸化窒素(NO)を増やすため、これにより血管を弛緩、拡張させることにより、血流を良くすることがわかっている。
※加工肉に含まれる「亜硝酸塩」は良くない。

・2015年カナダの研究では、27人の臨床試験で、ほうれん草を7日間毎日摂取した人は、血圧と血流に有意な改善が見られたと報告された。

・2016年イギリスの研究でも、白菜のように硝酸塩が豊富な野菜を多く含む食事をしている人は、血圧が低く、心臓病のリスクが大幅に低下していることがわかった。

・2015年イギリスの研究では、ビーツの補給は筋肉組織の酸素の流れを改善し、血流を刺激することでNOのレベルを高め、これによりパフォーマンスを向上させたことが報告された。

・ほうれん草、ビーツ、セロリ、白菜などに硝酸塩が多い。

⑤柑橘類
・2011年イタリアの研究では、柑橘系のフルーツを摂取すると血流の改善、血圧の調整が見られたと報告された。

⑥鰹出汁
・2007、2008年の研究では、鰹出汁を単発で摂った場合と、長期間で摂った場合、どちらも血流が増えたことがわかった。

他にも、シナモンや葛などにも血流改善効果が認められています。
もちろん「何を摂らないか」も当然重要です。
これらをヒントに血流改善をやってみましょう!

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