肺がんってなぜ増えてる?

肺がんの発症率は上がっている

・日本では、喫煙者は減少傾向だが、肺がんの発症率は上がり続けている。

・肺がんは、喫煙が関係する「扁平上皮がん」と、それ以外の「肺腺がん」の大きく2つに分けられる。

・喫煙が関係する扁平上皮がんは減っているが、肺腺がんは増え続けている。

◼︎肺がんリスクを上げるもの

・動物実験で、餌にリノール酸を混ぜ与え続けると、肺腺がんのリスクが上がることが報告されている。

・経口摂取でグリセロール(グリセリン)を摂り続けると肺がんを発症することもわかっている。

・グリセロール(グリセリン)は、食品添加物として使われているが、保湿剤、甘味料、保存料などという名前で表記されていることがあり、気づきにくい。

◼︎肺がんリスクを下げるもの

・2022年イギリスの32万7790人を対象にした研究では、肺がんのリスクと食事の関係を調査すると、食物繊維、フルーツ、ビタミンCの3つはそれぞれ肺がんリスクを9%低下させたことがわかった。

・全粒穀物をよく食べる人は肺がんになりにくいというデータもある。

・現代は、複合炭水化物と異なり、精製された炭水化物が多く、精製されるとビタミンやミネラル、食物繊維が取り除かれてしまう。

■気管支も重要

・肺の入り口である気管支も重要となる。

・呼吸により入ってきた異物や病原菌を捕まえ、気管支を綺麗に保っているのが気管の粘膜であり、粘膜のバリア機能が弱ると炎症が起きてしまう。

・気管支の粘膜を形成するのは、タンパク質、ビタミンA、D、亜鉛、マグネシウム、グルタミン。

◼︎肺に良い食材

<トマト、スイカ>

・カロテノイドの一種であるリコピンは肺を守る効果がある。

・2019年の喘息患者を対象とした研究では、トマトをよく食べている患者は喘息のリスクが低下することが報告された。

・同じ研究では、全粒穀物、豆類、魚介類、フルーツなども喘息発症率を低下させることがわかった。

・ハーバード公衆衛生大学院による大規模な疫学調査では、リコピンをよく食べている人は肺がんリスクが低下することが発表された。

・スイカにもリコピンが豊富に含まれている。

・リコピン以外のカロテノイドでも、β-クリプトキサンチンが肺がんのリスクを下げることがヨーロッパの疫学調査でわかっている。

<ブルーベリー>

・ブルーベリーなどに含まれるアントシアニンを習慣的に摂っていると、脳や肺に届く。

・いくつかの研究では、ブルーベリーに含まれるアントシアニンが肺機能を酸化ストレスから保護する働きがあると報告されている。

<リンゴ>

・フラボノイドの多いリンゴにも、肺機能を保護する可能性がある。

・2017年には、リンゴを摂取している人ほど、COPDになりにくいことが疫学データで判明している。

※COPD(慢性閉塞性肺疾患)…喫煙の副流煙やPM2.5などの影響によって、肺に持続的な炎症が起きている症状。

・2000年イギリスの研究では、週に5個以上のリンゴを摂取すると、肺機能が向上し、COPDを発症するリスクが低下すると報告された。

・リンゴは皮ごと食べるのがおすすめ。

さらに、2023年デンマークの研究では、ニンジンをよく摂取している人は、肺がんリスクが24%低下したことが発表されています。

ぜひ肺に良い食べ物を意識してみてください。

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