スイカとリコピンの関係
スイカにかなりの量のリコピンが含まれているということが証明されています。
リコピンは、赤い色素の抗酸化成分でカロテノイドの一種です。
スイカのリコピン含有量は、気候や土地、品種、生育の条件によって違いますが、
100gあたり、2.3〜7.2mg含まれています。
2014年パキスタン二よりスイカ研究のまとめで、平均すると、スイカのリコピン含有量は、
トマトよりも、約40%高いと報告しています。
トマトのリコピンは一般的に加熱したり、油で炒めたりすることにより、その生態機能が
上がることが知られています。それは、トマトに含まれているリコピンは、通常蛋白質と
複合体を作って存在するために加熱によって遊離するからです。
しかし、スイカのピコピンは、加熱をしなくても生で摂取後すぐに生態利用されることが
いくつかの研究で報告されています。
(EXCLI J. 2014; 13: 650-660),(J Nutr. 2003 Apr;133(4):1043-50),(Free Radic Biol Med. 2010 Jul 15;49(2):205-13),(Pak J Bot. 2006;38:89),(Postharvest Biol Technol. 2007;44:71-79)
スイカのリコピンの利用率は、貯蔵温度5℃の時、7.8〜8.1mg含有量に対して、常温20℃では、
8.1〜12.7mgまで上昇します。リコピンを意識する場合は、常温で食べた方がリコピンを多く
摂取できますね。
リコピンは、カロテノイドの一種で、同じカロテノイドのβカロテンやαカロテンと比べても
強い抗がん作用が報告されています。
スイカを良く食べる女性は、子宮頸がんのリスクが5分の1と報告があります。
(EXCLI J. 2014; 13:650-660)
2008年のハーバード大学の研究では、リコピンの摂取量が高い人ほど、さまざまな癌に対して
予防があり、特に前立腺癌に対して有効であることを報告しています。
2009年の研究では、食事でリコピンを多く摂取している男性は前立腺癌の発症率が25%減少し
他のがん全体でも44%減少したと報告しています。
そして2016年のネイチャー誌に掲載された発表では、リコピンの摂取量が多いほど、膵臓がんのリスク
が下がることが報告されています。
最後にリコピンの効果に美白効果があります。
美白効果を促す栄養素とは、肌に届きやすく、そこで抗酸化を発揮するものです。
中でも、βクリプトキサンチン(みかん)、アスタキサンチン(シャケ、エビ、タコ🐙など)
そして、リコピンです。
12週間のある研究では、食品または、サプリメントのいずれかから8〜16mgのリコピンを
毎日摂取することで、紫外線にさらされた後の皮膚の赤みの強度を40〜50%減らすこと
ができました。リコピンは摂取過剰により副作用は報告されておりませんが、一般に「柑皮症」
という、手のひらや足の裏が黄色くなることがあります。こdれは、みかんの食べ過ぎでも起こる
「柑皮症」そのものは、身体に無害であり、摂取を止めれば自然に治ります。
このように、リコピンは、皮膚に届きやすく、そこで抗酸化を発揮します。
是非、強い紫外線のある夏の前に、しっかり紫外線対策を行いましょう。
他にも、糖尿病の予防効果、黄斑変性予防などリコピンには、様々な効果が報告されていますが、
またの機会にお話させていただきます。
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