さくらんぼの健康効果🍒

さくらんぼは、桜桃(おうとう)やチェリーとも呼ばれ、バラ科サクラ属サクラ亜属のミザクラ(実桜)類の食用果実で、「甘果オウトウ」と「酸果オウトウ」の2種に分かれ、国内で生産されているさくらんぼや輸入のアメリカンチェリーは、「甘果オウトウ」に属し、海外でジャムや果汁加工に使用されるタルトチェリーは、「酸果オウトウ」に属し、サワーチェリーとも呼ばれすます。

さくらんぼの研究は、アメリカンチェリーのような赤肉種を対象にしたものが多く、その効果はアントシアニンによるものが大きいです。一方、佐藤錦などの日本で栽培されている品種のほとんどは、白肉種のため、アントシアニンがあまり含まれておりません。

さくらんぼの栄養的特徴は、カリウムです。100gあたりカリウムが210mgと豊富に含まれています。カリウムは体内にあるナトリウムを体外に排出する働きを持っていて、利尿作用、むくみ予防、腎炎の抑制なども期待できます。

さくらんぼ自体の効能はたくさん報告されていますが、これらはほとんど赤肉種のアメリカンチェリーによるものです。残念ながら佐藤錦のような日本の白肉種の研究はほとんどないので、今回は「アメリカンチェリー」の効果が中心となります。

さくらんぼの「抗酸化作用」はとても強く、2002年の研究では、さくらんぼの抗酸化能は、イチゴなどのベリー類の抗酸化値に匹敵し、りんごやキュウイフルーツよりも高いということが報告されています。この抗酸化能の主軸は、アントシアニンです。

1998年の発表では、さくらんぼのアントシアニンよる抗酸化能は、ベリー類に比べてより活性がつよかったと報告されています。

続いて「抗炎症作用」です。2006年の臨床研究では、28日間で280g/日のさくらんぼを食べたところ、CRPという炎症マーカーが低下したことを発表しています。

また、動物実験では、さくらんぼの摂取が関節炎や通風の痛みを緩和するということが報告されています。

これらの抗炎症効果は、さくらんぼに含まれるアントシアニンによるものと報告されています。

次に、「抗がん作用」です。

2003年アメリカ・ミシガン州立大学の研究では、さくらんぼのアントシアニンのが、ヒト結腸ガン細胞の増殖を抑制したことを発表しています。さらに2006年の研究では、結腸がんのマウスにさくらんぼ抽出成分を摂取させたところ、がんの発症を阻害させたことがわかっています。また、血圧抑制効果も報告されて、2008年の糖尿病患者を対象にした臨床試験では、40g/日さくらんぼの6週間摂取により、大幅な血圧降下作用が見られています。

さくらんぼには、痛風の治療効果もあることが有名です。痛風患者633人を対象とした臨床研究(2012年)ボストン大学では、さくらんぼを2日食べた人は、フルーツを食べなかった人より痛風発作が35%少ないことが認められました。さらにこの研究では、さくらんぼの摂取量を痛風薬と組み合わせた場合、接種されていない時期よりも痛風発作の発症が75%も低いことが明らかになりました。

最後に、さくらんぼには「睡眠の質を改善」する効果も期待できます。さくらんぼには、睡眠を誘発する成分の「メラトニン」が含まれています。20人を対象とした研究(2012年イギリス)では、サクランボの濃縮果汁を7日間飲むと、メラトニンレベル、睡眠時間、睡眠の質が大幅に向上したことが示されています。同様に、2018年ルイジアナ州立大学による、不眠の高齢者を対象とした2週間の研究では、就寝前に1カップ(240ml)のタルトチェリー果汁を飲むと睡眠時間が84分長くなりました。

健康効果が多彩なさくらんぼ、旬の時期に是非お召し上がりください。

アメリカンチェリーの場合、残留農薬が心配でしょうが、黒カビ病を防ぐ「イプロジオン」という農薬は、日本に輸出するアメリカンチェリーに、この農薬を使用することを厚労省が禁止しています。抜き打ちの残留農薬検査でもイプロジオンは99%検出されてません。わずかに検出された1%についても、基準濃度をはるかに下回るものです。

よく洗って美味しく食べて下さい。

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