ゴーヤは「ツルレイシ」が正式名で、レイシと言われたり、苦瓜(ニガウリ)とも呼ばれます。
ゴーヤは、実は、最も研究数の多い野菜の一つです。
日本ではそのすごさは教わらないと思いますが、海外ではとても見直されている薬用植物です。
2020年のアメリカ・セントルイス大学の発表では、ゴーヤには以下の医学的効果がある、
としています。
・強力な抗ガン作用
・血糖値改善
・抗糖尿病作用
・抗高脂血症作用
・抗菌作用
・抗真菌作用
・抗HIV作用
中でも覚えてほしいのが、
①血糖値改善
②高脂血症の抑制
③抗がん作用
糖尿病患者24人を対象とした3か月の臨床試験では、毎日ゴーヤを摂取すると、血糖値とヘモグロビン
A1cが低下したことが発表されています。(J Med Food . 2018 Jul;21(7):672-677)
糖尿病患者40人を対象とした臨床試験では、4週間ゴーヤを毎日摂取すると、血糖値がわずかに低下
し、血糖コントロールのもう1つの指標であるフルクトサミンのレベルを大幅に低下させました。
(J Ethnopharmacol . 2011 Mar 24;134(2):422-8)
実は、ゴーヤは古くから、糖尿病に対する薬として利用されてきた歴史があります。
続いて、高脂血症の改善効果です。高コレステロール食を摂取しているラットの研究では、ゴーヤ抽出
成分を投与すると、高くなったLDLコレステロールや中性脂肪値の数値が大幅に低下することが観察さ
れました。別の研究でも、ラットにゴーヤ抽出成分を与えると、高くなったコレステロール値が大幅に
低下したことが示されています。(Nig Q J Hosp Med . Oct-Dec 2010;20(4):209-13)
そして、最後に「抗がん作用」です。これがもっとも注目されている薬効性でしょう。
ゴーヤには、血液がん(白血病)、脳腫瘍、乳ガン、結腸ガン、胃ガン、腎臓ガン、肝臓ガン、肺ガン、
卵巣ガン、膵臓ガン、前立腺ガン、皮膚ガン、子宮頸ガンなどに対して、強力な抗ガン活性があったこと
が、インビトロ(試験管)およびインビボ(動物・生体)モデルで実証されています。
(Cancers (Basel). 2020 Aug; 12(8): 2064)
この仕組みとして、まずゴーヤの成分(トリテルペノイドなど)は、ガン細胞の細胞膜にある脂質ラフ
トという部分からガン細胞に侵入し、
そして、
・ガン細胞の中で活性酸素は発生させる
・ガンに対抗して抗酸化作用を発揮させる
・炎症物質を減少させる
・ガンの細胞周期を調整する
・ガンのアポトーシス(自殺死)の誘導
・オートファジーの誘導
・ガン幹細胞の阻害
・ガンの代謝(糖質、脂質)の阻害
・免疫のNK細胞の活性化
・ガンの浸潤・転移・低酸素を阻害
などの効果を発揮するそうです。
ガンにとっては、とても嫌な相手であり、とてつもない威力があるわけです。
ぜひ、この旬の季節にゴーヤを食べてくださいね。
沖縄発祥のゴーヤチャンプルーが有名ですが、ゴーヤの苦味が豚肉や豆腐の甘みに程よく絡み、
食べて本当に美味しい料理です。さらに、栄養価のバランスも良いです。
材料は、ゴーヤ、豚肉、木綿豆腐、そして卵です。ゴーヤは何と言ってもビタミンCをはじめとして
抗酸化栄養素の優等生です。
すい臓がんや乳がんの予防やその増殖阻害に顕著に効果がありますので、とても有望なのです。
ゴーヤチャンプルーのメインのタンパク源である、豚肉は言わずもがなビタミンB1最強食品です。
牛肉の約8倍含まれていると言われています。中でもヒレ肉に多く含まれています。
ゴーヤチャンプルーでは木綿豆腐を使用することが多いです。
※木綿豆腐は絹ごしよりもタンパク質量を多く含んでいます。
適量の大豆たんぱくには長寿ホルモンと呼ばれるアディポネクチンの活性を促します。
そして卵ですが、卵は栄養価の優等生であることは言うまでもありません。必須アミノ酸がとても
バランスよく含まれており、アミノ酸スコアは100点満点の食材です。ビタミンの中ではB12を
多く含み、脂溶性ビタミンAやDの栄養源としても利用できます。
おまけとして、お皿に盛った後は、「かつお節」をぜひのせて欲しいものです。
かつお節はナイアシン最強の食品です。ぜひ、この夏、ゴーヤ料理を楽しんでくださいね。
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