ビタミンDの作用?

免疫力UPにも大事なビタミンD。

以前は日焼け対策バッチリしていたけど、最近は日光を浴びるように少しだけ心がけています。

  • 「アレルギー疾患があります」→まずビタミンD。
  • 「風邪をひきやすいです」→まずビタミンD。
  • 「筋トレ始めました」→やはりビタミンD。
  • 「血糖コントロールを良くしたいです」→これもビタミンDが必要。
  • 「腸内環境を良くしたいです」→やっぱりビタミンD。
  • 「最近、うつ症状があります」→ビタミンDでもサポート。

ビタミンDは生命(人間)の根幹に必要とされる栄養素です。

ビタミンDは、ビタミンというよりは、遺伝子に直接働きかけて作用するので、どちらかというと

ホルモンです。今回のビタミンDのお話は「ガン」に特化したいと思います。ビタミンDは

強力な抗ガン作用があります。特に、得意とするのが、乳ガンと大腸ガンです。

研究では、ビタミンDの血中濃度が高ければ、乳ガンの発症リスクを抑え、大腸ガンのリスクも

低下するということがわかっています。

日本人の「ガンの罹患数」第一位は、圧倒して、大腸ガンです。大腸ガンのおもな原因は、

・二次胆汁酸

・TMAO トリメチルアミン-N-オキシド

・ヘム鉄(欧米圏)

まず、二次胆汁酸です。胆汁酸は、肝臓で合成され、胆のうにいったん貯蔵され、食事の時にに、

腸に分泌されます。脂肪分を胆汁酸で乳化することにより、消化酵素リパーゼとの反応を

良くするためです。この胆汁酸は、腸肝循環(腸で再吸収後、肝臓に戻り、リサイクル)

によって、何度も使われるのですが、その間、腸内細菌によって二次胆汁酸に変換されます。

この二次胆汁酸はできるだけ早めに排泄させないと、大腸がんの原因になります。

二次胆汁酸を排泄させるのに良いものは、

  • βグルカン(大麦、オートミール)
  • MDフラクション(マイタケ)
  • フコイダン(もずく、ワカメ)
  • こんにゃく(グルコマンナン)

動物性脂肪(飽和脂肪酸)のとりすぎによって、この二次胆汁酸が増え、この二次胆汁酸が

腸粘膜の炎症を引き起こし、大腸でがん化をおこしやすくします。

しかし、面白いことに、ビタミンD受容体である「VDR」は、この二次胆汁酸に反応

すると、その解毒機構の誘導物質であるCYP3Aを発現させます。

こうして、VDRは二次胆汁酸に反応し、この解毒機構を誘導するシステムがあり、

大腸がんの予防になるのです。

VDRの発現を高めるには、ビタミンDとマグネシウムが必要であることがわかっています。

2010年の研究では、血中ビタミンD濃度 25(OH)D が20ng/mlから40ng/mlまで上昇すると、

大腸ガン発症率は2/3まで減少するということがわかっています。

(J Photochem Photobiol B. 2010 Nov 3;101(2):130-6)

2006年の研究では、血中ビタミンD濃度が25nmol/l(=10ng/ml)上昇すると、

全がん発症率は17%低下し、全がん死亡者数は29%低下しています。

大腸がんは37%低下、胃がんは42%低下、食道がんは63%低下、すい臓がんは51%低下

となったそうです。

(Cancer Epidemiol Biomarkers Prev. 2006 Dec;15(12):2467-72)

続いて、乳ガンです。カリフォルニア大学のガーランド博士の研究によると、

血中ビタミンD濃度が42ng/ml超の人は、乳がんの発症率が11ng/ml以下の人の約半分であり、

こうして血中ビタミンD濃度が高い人ほど、乳がんになりにくかったのです。

2,000IU/日のビタミンDと適度な日光浴をしていれば、血中ビタミンD濃度が52ng/mlまで

上昇する可能性が高く、これによって乳がん発症率が50%低下すると発表されています。

(J Photochem Photobiol B. 2010 Nov 3;101(2):130-6)

ハーバード大学医学部のコホート研究では、45歳以上の閉経前の女性10,578人において、

乳がん発症率とビタミンD摂取量の関係を10年間追跡調査で調べたところ、

摂取量が548IU以上の群は、162IU未満の群に比べて乳がんリスクが35%低い

ということが報告されています。

※閉経後女性20,909人の調査ではこのような差は認められていない。

(Arch Intern Med. 2007 May 28;167(10):1050-9)

女性ホルモンのエストロゲンや、

成長ホルモンのインスリン様成長因子Ⅰ(IGF-Ⅰ)には、乳がん細胞を増殖させてしまう作用が

ありまが、ビタミンDを摂取していると、エストロゲンの受容体やIGF-Ⅰの受容体の働きを抑えて、

乳がん細胞の増殖を防いでくれるのです。

2013年の研究では、乳がん発症の予後と血中ビタミンD濃度の関係を調査したメタ分析では、

ビタミンDレベルが十分にあれば、乳がん患者の生存率は2倍高くなることがわかっています。

(Journal of Clinical Oncology, Vol 31, No15 ,2013: 1521)

国立がん研究センターによると、日本の研究(JPHC研究)でも、血中のビタミンD濃度が高いと、

ガンのリスクを下げることが報告されています。

(BMJ. 2018 Mar 7;360:k671. doi: 10.1136/bmj.k671)

ビタミンDが足りているかどうかを知りたければ、血液検査で、25(OH)Dという項目を

測ることです。お医者さんには、25ヒドロキシビタミンDとお伝えください。

25ヒドロキシビタミンDを検査し、その単位がng/mlの場合、数値が40~100の間であれば合格と

なります。単位が、nmol/Lの場合は、数値が100~250の間であれば合格となります。

ただし、今までビタミンD摂取を維持したことが無い人は、おそらく、数値が低いでしょう。

その場合、ビタミンDサプリを適切な摂取量のうえ、試してみてくださいね。

ビタミンD3サプリを利用する場合は2,000~4,000IU/日、ビタミンDを多く含む食品は

しらす、鮭、サンマ、鰻、きくらげなどです。日光浴では、Tシャツ・短パンで30分間紫外線を

浴びると、ビタミンDが800IU合成されます。

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