2023年8月25日、「高いリンの摂取が女性の乳がんの発症リスクを上昇させた」と報告がありました。
(Nutrients 2023, 15(17), 3735)
リンの過剰摂取は、慢性腎臓病、心血管疾患、骨粗鬆症などのさまざまな慢性疾患のリスクを高める
ことは知られておりますが、今回の新しい研究は、カナダのウォータールー大学によるもので、
米国の全国女性の健康に関する調査(SWAN研究)からのコホートデータを解析したところ、
リンをたくさん摂取しているグループは乳がん発症率が2.3倍にもなったということです。
具体的には、
800~1000mg/日のリンの摂取を基準にすると、
1400~1600mg/日のグループは乳がん発症率が1.23倍、
1600~1800mg/日は1.94倍、
1800mg以上は2.3倍となっています。
ただし、1800mg以上というのは、アメリカ人の体型だからこそ、できてしまうもので、
日本人の平均的な体型では稀かもしれません。
とはいえ、1400mg/日以上で乳がんリスクが上昇していますので、これは日本人も気をつけるべき
ことでしょう。
リンの過剰摂取は、通常、食品添加物であるリン酸塩を多く摂った場合に起きやすいです。
つまり、超加工食品の摂りすぎです。
食材由来であれば、動物性たんぱく質の極端な摂りすぎを毎日行えば、この数値に届くかもしれません。
しかし、自然由来のリンは有機リンのため、吸収率も下がりますので、基本的には人体に影響は
ありません。
ところが、添加物由来のリンは無機リンのため、吸収率が90~100%となるため、注意が必要なのです。
今回の、リンと乳がんの関係はとても衝撃的です。
添加物のリン酸塩はさまざまな加工食品に添加されていますので、十分気を付けましょう。
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