近年、16時間ファスティングが流行していますよね。
ダイエットに良いとされていますが、本当のところは…?
1日2食と3食、結局どっちが良いのか、エビデンスをもとにお伝えしていきます。
※前提として、「1日2食」、「朝食抜き」、「16時間ファスティング(断食)」の3つは同じと定義します。
■1日2食が推奨されているのはなぜ?
・人類は本来1日1〜2食であったため3食は食べ過ぎで、これが慢性疾患を産んでいるのでは、という考えから推奨されるようになった。
・しかし、3食になってからの方が寿命は伸びているし、しっかりと栄養を摂れるため、本当に2食に戻して良いのかと言う議論もある。
・オートファジーによる若返りを狙っているという説もあるが、細胞がオートファジーを起こすピークには24時間の絶食が必要というエビデンスがほとんどで、どんなに短くても18時間の絶食がないとオートファジーは起こらない。
・さらにオートファジーのピークは48時間後のため、毎日の断食が必要なのかと言う疑問がある。
■1日2食は痩せやすいが、太りやすい?
・1日2食のメリットは、カロリー制限ができるため、ある程度の減量や体が軽くなる実感はできる。
・1日2食を長期で続けると、肥満体質、高血圧、カロリー過剰になりやすい傾向があると報告されている。
・16時間など開けて飢餓状態を味わうと、体は高カロリーなものを求めてしまいやすくなり、高脂肪食、高糖質食を食べたくなる。
・2009年、2010年の研究でも、朝食抜きは体重増加、肥満、食事の質の低下などのリスクにつながり、一方で朝食を食べると、学習能力や成績の向上につながると報告されている。
・2013年日本内科学会の研究では、朝食を食べない人は食べる人に比べてメタボになるリスクが女性で約4倍、男性で約2倍高かったと発表。
・食事回数が4回未満の人よりも、6回以上(3食+間食)の人の方が肥満度は低いというデータがある。
・2015年の大規模な調査では、1日の食事回数が少ない人は多い人に比べて、摂取カロリーが多くなり、BMIが高くなる傾向があると報告。
・2011年60〜64歳男性379人の調査では、食事回数が少ないと肥満、高コレステロール血症、耐糖能の低下リスクが高くなった一方、5食の人は最もそれらのリスクが低かったと報告。
■1日2食は栄養不足になる
・食事回数が減ると、ビタミンやミネラルなどの栄養摂取量が減る。
・2021年オハイオ州立大学の研究では、朝食抜きの人の追跡調査をすると、カルシウム、鉄分、ビタミンA、葉酸、ビタミンC、ビタミンDなどの栄養不足が顕著だったと報告。
■1日2食は血糖値が上がりやすい
・2015年の糖尿病学会の研究では、朝食抜きでお昼までファスティングをすると、次の食事で食後高血糖が増加したと発表。
■朝食の重要性
・朝食を抜くと、体内時計が狂ってしまう!
・朝、糖を食べてインスリンをある程度分泌しないと体内時計がリセットされないことがわかっている。
・体内時計は1日24.5時間で、毎日30分のズレがあり、これを毎日解消しないと太りやすい。
・体内時計のリセット方法は、
①朝日を浴びる
②インスリンを分泌させる(7〜8時、遅くても9時半まで)
・1日2食でも、朝食に酵素ドリンクを飲む場合は例外としてあり(酵素ドリンクである程度のインスリン分泌が期待できるから)。
・理想の朝食は旅館の朝食のような和食。
バランスの良い食事内容であれば、やはり1日3食の方が良いです!
ファスティングをする場合は、準備食や回復食を整えた3日間や5日間のファスティングをおすすめします。
エビデンス的に朝食抜きはお勧めできませんが、とはいえ完璧にするのは難しいと思いますので、スムージーやプロテインなど、工夫をしながらやってみてください
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