豆腐の健康効果

お豆腐は栄養価が高く、高タンパクでミネラルも水分量も多いので、夏の脱水に注意する季節には

もってこいの食材です。もとも長寿食して重宝されていたお豆腐は、中国で発明され日本に伝来し

たのは、奈良時代の遣唐使と言われています。そして奈良時代の寺院で精進料理として食べられて

いたお豆腐は、鎌倉時代に禅宗の僧侶によって普及され、その後帰属階級に伝わり、室町時代には

国内にかなり浸透したとされています。庶民の間で食べれるようになったのは、江戸時代で、

1782年に刊行された「豆腐百珍」というレシピ集で、お豆腐の様々な食べ方が広まっています。

お豆腐は、木綿と絹ごしと種類がありますが、形態によって微妙に栄養価が変わります。

○木綿豆腐ータンパク質6.6g、カルシウム86mg、マグネシウム130mg、鉄0.9mg

○絹ごし豆腐ーたんぱく質4.9mg、カルシウム57mg、マグネシウム55mg、鉄0.8mg

木綿豆腐の方が栄養価が高いですね。

そして、お豆腐のメリットは、吸収力にあります。通常、大豆(煮豆)のメリットは吸収率は、92%

なのですが、お豆腐になると、タンパク質の消化吸収率は、97%まで上昇します。

大豆そのものは、消化が難しいですが、お豆腐は大豆の不消化性を改善する優れた加工食品ですので、

高齢者食、病人食、離乳食としても適しています。

豆腐の主な大豆たんぱく質は、βコングリシニンとグリシニンです。

・βコングリシニン…お豆腐のなめらかさと粘着性に関わる

・グリシニン…お豆腐に硬さと弾力性を与える

βコングリシニンには、中性脂肪を低減させる効果、体脂肪を低減させる効果、抗肥満効果があります

グリニシンには、血中のコレステロールを低下させる効果があります。また、大豆レシチンも含まれて

いて、強い乳化作用があるため、血中のコレステロールを低下させる作用があり、動脈硬化を防ぎ

脳出血などを予防する効果があります。レシチンの構成成分の一つであるコリンは記憶を司る神経伝達

物質であるアセチルコリンの材料になるため、記憶力や集中力を高め、脳の老化や認知症予防に効果が

あるとされています。そして、お豆腐に多く含まれるカルシウムとマグネシウムは、骨の形成に働き、

神経の動き、神経の動きや筋肉運動などに関わっています。

また、精神面にも大きく影響するため、これらのミネラルをお豆腐を介して補給することは、現代人に

とってとても重要です。次に、大豆サボニンです。大豆サボニンは、起泡性があり、渋みや苦味の原因

となるため、嗜好的には好まれないので、お豆腐の製造では取り除かれることが多いですが、いくらか

残留したサボニンにより、抗酸化作用が発揮され、または腸を刺激し便通をよくしたり血栓を予防する

効果等が期待され、最近では、抗がん作用も注目を集めております。それから、大豆イソフラボン。

イソフラボンは、体内で女性ホルモン・エストロゲンと似た働きをし、更年期障害など女性ホルモンの

減少によって起こる症状に効果が期待されています。さまざまな疫学調査で、大豆食品由来の

イソフラボンの摂取は、骨粗しょう症の予防、動脈硬化の抑制、そして更年期障害の軽減がある

ということが報告されています。欧米人に比べて、日本人において、乳がんや前立腺がんの発生率が

少ないのは、イソフラボンによる予防効果が挙げられ、お豆腐などの大豆食品を食べているためと

考えられます。特にイソフラボン配糖体のゲニステインという成分に腫瘍の血管申請を抑える効果が

あり、これが抗がん作用をはっきりとしているものとされています。しかし、イソフラボンも適切な

量を摂ることが重要で、健常者がサプリメントや添加物として大量に摂ることは、基本的にあまり推奨

されません。(抗がん治療などでの使用はまた別です。)イソフラボンの安全な1日の摂取量は約30mg

です。そして、大豆オリゴ糖です。大豆オリゴ糖の主成分は、ラフィノースとスタキオースです。

これらは、腸内のビフィズス菌を増やし、悪玉菌を減らす働きが期待されます。

最後にトリプシンインヒビターです。これは、たんぱく質分解酵素のトリプシンを阻害し、消化吸収を

妨げる抗栄養素のため、従来では大豆の有害成分として指摘されていました。しかし、新しいもの研究

では、わたしたちが常識的に考えているよりも障害の程度が少ないことが示唆されており、また、熱に

弱いためお豆腐の製造工程で失活あるいは、除かれています。さらに最近では、これがインスリン分泌

を促進したり、一部のがんで抗がん作用も発揮していることがわかり、その有益性の方に着目されつつ

あります。このように、お豆腐は身近な食品すぎて、その価値をつい忘れてしまいがちですが、普段の

食卓に積極的に取り入れたい食材です。

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