同じものを同じだけ食べたとき、ある人は太り、ある人は太らない、ということはよくあります。
実は、その人が持つ「腸内細菌叢(腸内フローラ)」が、太りやすさに大きく影響しているようです。
⽇本⼈の腸内細菌と肥満や糖尿病との関連について、ヒトを対象にしたデータ解析を⾏なったところ、
ブラウティア菌が肥満や糖尿病リスクと「逆相関」する、すなわち、「肥満や糖尿病のリスクが低い人
ほどブラウティア菌が多い」という報告がありました。
日本人のやせ菌「ブラウティア菌」を増やすには?
どうしたらブラウティア菌の割合を増やすことができるのかが気になります。
今のところ、一番効果があったのは、食事内容を調べて、過不足を整えたときでした。特定の何かを食べるのではなく、摂取栄養のバランスを見て、「自分がとりすぎているものを減らして、足りないものを補う」。そうした「バランスを整える」ことが一番、効果があったのです。
「○○だけダイエットはよくない」というお話を聞いたことがあると思いますが、このブラウティア菌は、「○○だけダイエット」の対極にあります。栄養バランスの良い食事のとり方は、多様な腸内細菌の活性化にもつながります。
ブラウティア菌は、「やせ菌」として私たちの体に直接働きかけるだけではありません。短鎖脂肪酸の酢酸をはじめ、乳酸やコハク酸、さらには難消化性でんぷんのアミロペクチンも生み出します。ほかの有用菌と協調的に働いて、腸内環境の改善にも効果を発揮してくれます。
いろんなものを食べるといろんな菌が活性化する
より実践しやすい方法として、食品の品目ではなく、栄養素で考えることをお勧めします。五大栄養素の炭水化物、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラル(カルシウム、鉄など)を軸に、一食ごと、もしくは1日の食事のバランスを考えてみましょう。炭水化物は糖と食物繊維でできていて、白米で摂取できるのはおもに糖であることをお忘れなく。
大麦などの雑穀を加えたり、また、白米を冷まして食物繊維と同じ働きをする難消化性でんぷんを増やした状態にして食べるのが、腸内細菌のエサを増やす食べ方です。
腸内細菌の中には、ヒトには消化できないものを好物にする菌もたくさんいます。腸内には多様な菌がいますが、私たちがエサを与えないと活性化しません。
さらに、菌は単独ではなく分業制です。菌によって役割が違うので、様々な種類の菌が活性化するように、食物繊維だけではなく、食事全体での栄養バランスも整えることが大切です。
「バランスのよい食事」は大事だということはよく知られていますが、それには、腸内細菌に対する効果もあるわけです。
このブラウティア菌を増やす鍵となるグルコシルセラミドは、麹などの日本の伝統的な発酵食品に豊富に含まれています。
これらの食品を日常的に摂取することで、健康的な腸内環境を維持し、病気の予防に寄与することができます。
私の腸内環境を整える方法は、白米を炊くときに、もち麦を混ぜて炊く。(白米2:もち麦1)
味噌汁、ぬか漬けで、乳酸菌と酪酸菌を摂取したり、自家製麹を使って、タンパク質量も考え、バランスを大切にしています。
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